アプリを使って自分の車をシェア:インフィニオンとXAIN、自動車へのブロックチェーン導入で協業

2018/11/06 | ビジネス&フィナンシャルプレス

2018年10月25日、ミュンヘン(ドイツ) 

インフィニオンテクノロジーズ(FSE:IFX /OTCQX:IFNNY)とXAINは、自動車へのブロックチェーンの導入について協力することに合意しました。ミュンヘンにある半導体メーカーのインフィニオンと、ベルリンに拠点を置くスタートアップ企業のXAINは、本日ミュンヘンで開催された初のインフィニオン自動車サイバーセキュリティフォーラムで、関連する覚書に調印しました。この協業は、可能性のあるアプリケーションの検討、および市場の成熟度に応じたアプリケーションの開発を目標としています。初のデモ装置は、スマートフォンアプリを使って、たとえばカーシェアリングのためのアクセス権を分散処理によって付与するところを実演できるようになっています。 

インフィニオンのオートモーティブ事業本部のプレジデントであるピーター シーファー(Peter Schiefer)は、次のように述べています。「サイバーセキュリティは、将来の情報化された車載分野においてきわめて重要です。ブロックチェーン技術にはきわめて大きな可能性がありますが、その利用にあたって、採用したブロックチェーンの方式と、車自体に装備されたセキュリティハードウェアとの間で高度な調整が必要になります。当社は、XAINと連携して、このような構成を実現しようとしています。」 

ブロックチェーンは、迅速なトランザクション、および非常にセキュアな改ざん防止ストレージを実現する分散データベースです。自動車に関連してこの技術が利用できるアプリケーションの例としては、自動決済、カーシェアリングの仕組みに組み入れるキーレスアクセス、オンデマンドサービス、チューニング保護、自動運転機能があります。基本的に、自動車自体や車内にある特定のデータに対するアクセス権の付与に関するすべてです。特定のデータに関する例としては、良好な運転習慣を持つ自動車所有者に対して保険会社が保険料を軽減するということが挙げられます。 

インフィニオンのすべての第2世代AURIX™マイクロコントローラは、現在すでに自動車におけるブロックチェーン機能のサポートが可能になっています。このサポートは、最高レベルのEVITAセキュリティ規格に適合する組込みハードウェアセキュリティモジュール(HSM)をベースとしています。HSMは、マイクロコントローラ内部に特別な計算処理ユニットおよびストレージユニットを備えています。HSMでは暗号演算を行いますが、専用のファイアウォールによって保護されています。第2世代AURIXマイクロコントローラは、ブロックチェーンの認証に使われるデジタルキーのためのセキュアなメモリを備えており、ハッシングやデジタル署名のようなブロックチェーン処理を迅速かつセキュアに実行できます。認証済みセキュリティコントローラ、たとえば車載アプリケーション向けのインフィニオンのOPTIGA™ TPM 2.0は、要求レベルよりもさらに高いセキュリティを実現します。 

しかし、新しいデータブロックを生成するのは、従来の車載用マイクロコントローラでは困難さが伴います。暗号通貨で使われるいわゆるマイニングは、きわめて強力な計算能力が必要とされるので、今までのところは、高性能プロセッサで実行されてきました。しかし、XAINは、車載用マイクロコントローラのように、低消費電力が求められるデバイスでも実行できる新しいプロセスを開発中です。 

XAINの創業者兼CEOのレイフ ニッセン ルンドベク(Leif-Nissen Lundbæk)は、次のように述べています。「私たちは、自動車がネットワークの本格的な参加者になることを目指しています。この新しいプロセスは、オフラインやリアルタイム機能のために重要であるだけでなく、AI技術と関連のある非常に高いレベルのプライバシー保護を実現します。これによって、機械学習のためのプライベートなデータが、ローカルなストレージにのみ保存されていることを保証します。インフィニオンとの協業により、XAINが有する自動車に関するAI技術の利用を推進することを目指します。」 

インフィニオンとXAINは、インフィニオン自動車サイバーセキュリティフォーラムで、初のデモを展示しています。スマートフォンアプリを使って、分散処理によって迅速かつセキュアにアクセス権を付与するところを見ていただきます。その用途としては、すべての参加者が自分の車を自発的に他の参加者とシェアできるという、プラットフォームやバックオフィスを使わないカーシェアリングの仕組みが考えられます。インフィニオン自動車サイバーセキュリティフォーラムは、インフィニオンが開催する初の業界カンファレンスで、自動車会社、サプライヤー、研究者たちが車両のサイバーセキュリティについて意見を交わします。 

ブロックチェーンについて

ブロックチェーンは、迅速なトランザクション、および非常にセキュアな改ざん防止ストレージを実現する分散データベースです。そこでは、トランザクションをデータブロックとして保存します。そのブロックは、時系列に沿ってつながっていて、各ブロックには前のブロックへのリンクが含まれています。保存されたデータブロックを改ざんしようとしても、後続のブロックによって改ざんを容易に検出できます。ブロックチェーンは、多くの異なる場所に分散して同時に保管されているので、改ざん保護がさらに強化されています。新しいブロックは、常に複数の他の参加者によってチェックされています。 

XAIN について

XAINは、2014年にオックスフォード大学の研究プロジェクトとして始まりました。このプロジェクトは、人間と機械が、分散型でエネルギー効率が良く、プライバシーを保護できるインテリジェントなシステムとして協業できるプロトコルを開発するという先見的な目標を掲げていました。XAINは、多くのOEMやグローバル企業、たとえばポルシェ、ダイムラー、SAPと協力して、さまざまなAI製品を通じてその構想を実現しようとしています。その用途としては、機械(生産機械、車両を含む)のアクセス権自動付与、および、クラウドプラットフォームのかわりにソフトウェア開発キットを使った、内部処理の自動化による最高のプライバシー保護の実現があります。さらにXAINは、スマートポリシーと呼ばれる分散型でセキュアなアクセス権処理の開発用として、FROSTというプログラミング言語を作成しました。このポリシーは、ハードウェア、たとえばAURIXマイクロコントローラに直接組み込むこともできます。 

より詳しい情報は、 www.xain.ioでご覧いただけます。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。明るい未来の扉を開く鍵になる半導体をつくることが、私たちの使命だと考えています。2017会計年度(9月決算)の売上高は71億ユーロ、従業員は世界全体で約3万7,500人。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。 

日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp 

本社サイト: http://www.infineon.com (英語)

Information Number

INFATV201810-005j

Press Photos

  • Dr. Leif-Nissen Lundbæk (left), CEO of XAIN AG, and Peter Schiefer, President of the Division Automotive at Infineon Technologies AG, at the Infineon Automotive Cybersecurity Forum in Munich.
    Dr. Leif-Nissen Lundbæk (left), CEO of XAIN AG, and Peter Schiefer, President of the Division Automotive at Infineon Technologies AG, at the Infineon Automotive Cybersecurity Forum in Munich.
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  • Infineon and XAIN team up to bring blockchain technology into the car. A first jointly developed demonstrator shows how access rights can be granted decentrally by means of a smartphone app, for example for car sharing schemes.
    Infineon and XAIN team up to bring blockchain technology into the car. A first jointly developed demonstrator shows how access rights can be granted decentrally by means of a smartphone app, for example for car sharing schemes.
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